2-2. DNAの構造変化
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1) 一本鎖と二本鎖の間の変換
変性とアニール
二本鎖状態を維持しているDNAの水素結合は熱などで簡単に切れる
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変性
二本鎖核酸が一本鎖になる現象
DNAは一定の条件では100℃付近で完全に変性する
融解温度($ T_m: melting temperature)
50%変性する温度
細胞内には、複製、転写、修復、組換えといったDNAダイナミズムにおいて、DNAを部分的に変性させる酵素: DNAヘリカーゼが多数存在する(e.g. 大腸菌のRNAポリメラーゼ)
変性したDNAをゆっくり冷ましたり変性剤を除くと、一本鎖DNAは元の相補鎖を見つけて結合し、二本鎖となる
アニール(アニーリング, annealing)
二本鎖になること
リアニール
アニールして元のDNAが復活する場合
アニールはRNA-RNAやDNA-RNA(ヘテロ二本鎖という)の間でも起こる
ステム-ループ構造
DNA配列の中にパリンドローム配列(回分配列, 2回転対称配列ともいう. e.g. 5'-GTCCA...TGGAC)がある場合、それを変性-リアニールさせると、1つの鎖の中にパリンドローム配列間でアニールし、その結果ステム-ループと言われる構造ができる場合がある
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RNAはDNAより構造が柔軟で、分子内で短い塩基対や非典型的塩基対(e.g. GとUの塩基対)をつくりやすく、結果として多くのステム-ループ構造が形成され、分子全体が球状に折りたたまれやすい(tRNAがよい例)
memo: トポイソメラーゼ
DNA鎖の切断と再結合によってDNAのトポロジーを変化させる酵素をトポイソメラーゼという
様々な種類の酵素があり、DNAの超らせん(二本鎖DNAがさらに捻れた状態)の形成や解消、絡まったDNA鎖の解きほぐしなどに関与する
2) 切断、剪断
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二本鎖DNAの一方の鎖のリン酸ジエステル結合が切れる場合があり、切れ目をニックという
これに対し、二本鎖DNAの一方の鎖のヌクレオチドが1~数個ない状態をギャップという
剪断
切断が同一位置の両鎖に起こるとDNA分子が切断される
DNA切断は酵素でも起こるが、DNA傷害要因であるイオン化作用のある電離放射線(γ線やX線)や煮沸、力学的な力でも起こる
DNAに酸を加えるとプリン塩基が離れ(デプリネーション)、結果的にDNA鎖が不安定になって切断される]